〜 あの、すばらしい旅をもう一度 〜

下川裕治さん
『週末アジアに行ってきます』
発刊記念スライドショー


 今回のイベントは下川さんの新刊『週末アジアに行ってきます』 刊行記念ということで、この本のなかで紹介されているアジア各地の 小さな街についていろいろとお話しいただきました。
 
  そもそもこの本が発刊されるきっかけは、下川さんご自身が編集長を されている『格安航空券&ホテルガイド』という雑誌で連載されている 「その先のアジア」という企画がもとになったんだそうです。


 










週末アジアに行ってきます
講談社文庫 定価:650円(税込)

仕事に疲れたらアジアが待ってるよ
週末に一日休みを+(プラス)してみよう。
一歩先のアジアへの旅が待ってるよ。

アジアの風に吹かれにいく、のんびり旅エッセイ。






 -アジアへ向かう週末旅-

 金曜日の夜、あるいは土曜日の朝に成田を発って、日曜日の夜に帰国。 または、がんばって月曜日を一日休みをとって、火曜日の早朝に帰国 してそのままの足で会社へ直行する、というような旅のスタイル。 一見あわただしいようにもとれますが、目的はあくまでもスロースロー。 のんびりととアジアに癒されに行くことにあります。行き帰りの移動は 少々ドタバタしても、現地では目的をもたず、ただただひたすら ぶらぶらする旅。

  そんなスローな気分にどっぷりひたれる旅先を、下川さんから いくつかご紹介いただきました。

 まずは、やっぱりなんといってもバンコクを起点に、西南へ列車で 下った先にあるウォンウェンヤイ、メークロン。バスで2時間の 距離を2日がかりでゆったり進みます。1日2便、上下線で4回 しか列車が通らないことをいいことに、線路の脇に堂々と店を出し、 小さな市場をつくってしまうタイ人のしたたかさ。 市場だけでは物足りず、線路に自作のトロッコを走らせてまう市井 の人々の強引さと、それを黙認するタイという国のおおらかさ。

  下川さんはスライドで上映していた写真を見ながら、著作のなかで つぶやいているのと同じように、「……ったく、もう」と愛しそうに おっしゃっていました。


 中国と北朝鮮国境の街、丹東(タントン)。 飛行機は北京からも就航しているけど、日本からのルートを考えた 場合、大連(ダーリエン)を経由したほうが、料金も安いし時間も 効率的に使えるようです。丹東の街には北朝鮮が深く入り込んでいて、 たとえば鴨緑江に沿った一画には、金日成バッジをつけたチマチョゴリ 姿の女性たちがウエイトレスをしている北朝鮮レストランがある。 ウエイトレスたちはカラオケで美声を披露してくれるのだそうです。

 ほかにも、カンボジアのパイリン。ラオスのルアンパバン。 バングラデシュのコックスバザール。タイ北部の街、メーサロン。 ベトナムのコーヒー産地、バンメトート。台湾の金門島など、 安くて早い飛行機の乗り継ぎ方や航空会社の選び方など ちょっとした旅の組み立て方のコツをからめてのお話しいただきました。 あんまりここに書いてしまうとあれなので、詳しくは『週末アジアに 行ってきます』をご覧ください。

 旅には行きたいけど、忙しい忙しいでなかなか行けないと決めつけて しまわず、ちょっとがんばってスケジュールを組めば、やはり お隣アジアは近いようです。 金曜日の夜便の飛行機に乗るための口実に、ちょっとだけ会社に ウソをつくくらいの愛嬌があってもいいんじゃない? なんて下川さんから教えていただいたように感じました。

 また下川さんの語り口は、本の中の下川さんと同じで(当たり前だけど)、 どこかオチつきというか笑いにおとしてくれるので、 当日お越しいただいた会場のみなさんもところどころで 笑いが入り、和んだ時間を過ごせていただけたと思います。

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