さて、今日は2003年最後の営業日であり、最後の日記 である。(これはどうでもいいことだが、実は明日誕生日)
今年の4月下旬にこの店に来て以来約8ヶ月。振り返ってみると、今年はいろいろと大変だったような気がする。
私個人もそうだが、書店業界全体が大揺れに揺れた1年 だったといえる。この先、この出版業界というものは あまり良いことはないのではないか、そんな疑念を抱かざるを得ない。
ただ、大書店から小書店へと職場が変わったことで、書店をとりまく現状がマクロとミクロ両方の視点から眺めることが出来るようになり、一体この先書店はどうなるのか、またどうすべきなのか漠然と見えた気がする。(気がするだけかも)
今後、本というメディア媒体は、完全には無くなることはないと思うが、この先今よりもメディアとして重要度はどんどん下がってくるだろう。これは間違いないと思う。
情報伝達手段としては、インターネット、携帯電話に勝てるわけもなく、情報雑誌、特に週刊誌はこれから衰退の 一途を辿るであろう。
また、単行本においても、ネット上で「作品」を発表・ 公開することが日常化しており、プロとアマチュアの 境界線やインディーズとメジャーの境界線が消えつつあり、より版元の編集能力が問われてくるだろう。
こういった流れを受けて、今後やはり書店は、産業として 成り立たせる「巨大チェーン店」とコンセプト重視で お客さんを面白がらせる「セレクトショップ店」のどちらかでしか生き残る道はないのではないだろうか。
当店「のまど」は、後者の道を選択したのだが、日本で唯一の「旅の本屋」として、少しでも皆さんの旅のご協力 ができれば幸いである。
来年は、当店のいい部分を残しつつ、少し今までとは違った色も出していきたいと思う。
今年お世話になった皆様、ほんとうにありがとうございました。また、来年もよろしくお願いします。
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