雑誌「旅行人」が月刊から季刊になるという。 この話を聞いたとき「やっぱりな」と妙に納得いくものがあった。
ここ1年ぐらい思っていたのだが、雑誌の「旅行人」のパワーがかなり落ちているのではという危惧があった。 その流れを止められなかったというのが今回の結果だと思うのだが、他にもいろんな要因があるだろう。
まず、ここ1,2年の旅行を取り巻く環境の変化である。 9/11のテロ以降アフガン戦争やイラク戦争、それにSARSといった病気の流行で海外旅行に行く人の数が減少してしまったことが最大の要因であることは疑いのない事実である。しかし、それだけが今回の旅行人の措置に繋がった のではないと思う。
おそらく最大の要因は「バックパッカーの減少」ではないだろうか。これは少し前から言われていたことなのだが、最近旅行人の読者層が高齢化していたのである。これは 裏を返すと若い人がバックパッカー的ないわゆる「貧乏旅行」をしなくなってきているともいえる。 これにはいろいろな原因があるだろうが、最大の原因は 日本の現在の不況だと思われる。
現在の不況下では大卒でも2割〜3割がフリーターにならざるを得ない状況であり、一旦就職してしまうと以前のように次の転職先を簡単に見つけづらい状況になってしまっている。このことが若い人の行動を制限してしまい、長期の 旅行などに出る気力や勇気を奪ってしまっているのだろう。ただ、女性は留学という行動に出ているのでまだ柔軟性が残っているのだが、男性においてはもう壊滅状態である。
なにはともあれ、今後の旅行人の行く末は日本の今後の 旅行文化の行く末にも大きな影響を与えることになるだろう。要注目である。
|
|